脳梗塞の3大病型比較と解説
発症メカニズムと血管の違い
アテローム血栓性脳梗塞は、比較的太い血管が動脈硬化により徐々に狭くなり、血管壁にコレステロールが蓄積してアテローム硬化を起こし、最終的に血栓が形成されて閉塞するタイプです。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が主な原因となります。
心原性脳塞栓症は、心房細動などの不整脈により心臓内で形成された血栓(フィブリン血栓)が血流に乗って脳に運ばれ、太い血管を突然閉塞させるものです。心臓が原因であることが特徴で、比較的大きな血栓が脳に飛ぶため、太い血管が詰まります。
ラクナ梗塞は、脳の深部にある直径0.9mm以下(または1mm以下)の細い血管が高血圧による動脈硬化で閉塞するタイプです。血管壁がリポヒアリン変性を起こし、徐々に内腔が狭くなって閉塞します。
発症様式と症状の特徴
アテローム血栓性脳梗塞は安静時や睡眠中に発症することが多く、起床時に症状に気づく場合があり、症状は徐々に進行します。一過性脳虚血発作(TIA)が前駆症状として現れることもあります。
心原性脳塞栓症は日中の活動時に突然発症し、短時間で症状が完成することが特徴です。梗塞範囲が広範囲になりやすく、意識障害や片麻痺など重篤な症状を呈する傾向が強く、3つの病型の中で最も重症化しやすいといわれています。
ラクナ梗塞は梗塞範囲が小さく、運動障害や感覚障害など比較的軽い症状が多いですが、約2~3割の症例で症状が進行します。自覚症状がない場合もありますが、多発すると脳血管性認知症やパーキンソン症候群の原因となる可能性があります。
治療戦略の違い
再発予防の治療薬も病型により異なります。アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞には抗血小板薬が選択されますが、心原性脳塞栓症には抗凝固薬が選択されます。このため、正確な病型診断が適切な治療と再発予防に不可欠です。
