大動脈弓部・大動脈解離のスタンフォード分類
スタンフォード分類の基本原則
- Stanford A型:上行大動脈に解離が及ぶもの(弓部・下行にどれだけ進展していても「A」)
- Stanford B型:上行大動脈に解離が及ばないもの(弓部・下行のみでも、上行にかからなければ「B」)
治療戦略は、「上行大動脈を巻き込むかどうか」で大きく変わり、A型は原則緊急手術、B型はまず保存的治療が基本とされています。
「弓部解離」の分類判定
弓部大動脈の解離は、以下のようにStanford分類されます。
- Stanford A型:弓部+上行大動脈に解離がある
- Stanford B型:弓部のみ、または弓部+下行大動脈だが上行に及ばない
つまり、「弓部=自動的にA」というわけではなく、「上行を含む弓部解離ならA」「含まなければB」です。
DeBakey分類との関係(弓部例)
DeBakey分類は「発生部位+進展範囲」で、古典的には上行/下行を基準にI, II, III型に分けますが、弓部原発例は厳密にはどこにもきれいに入らないという指摘があります。
- 上行発生で弓部以遠に進展:DeBakey I型(Stanford A)
- 上行限局:DeBakey II型(Stanford A)
- 下行発生で遠位へ:DeBakey III型(Stanford B)
- 弓部原発例:実臨床では「I型に含める」などの運用がされることがあります。
画像所見の実務的な判断フロー
臨床・読影の現場では、CTで以下をまず確認してStanfordを決める、というフローが多いです。
- 上行大動脈(Valsalva~腕頭動脈分岐直前まで)に偽腔/intimal flapがあるか
- あれば → Stanford A
- なければ(弓部~下行のみ) → Stanford B
弓部にentryがあっても、このルールでA/Bが決まるため、弓部原発かどうかより「上行の巻き込み」の有無を優先して分類します。
