チェッカーボード法とブレイクポイント・チェッカーボード(MDRP治療)
チェッカーボード法の概要
- 定義: 抗菌薬2剤を縦軸・横軸に段階希釈して並べた多孔プレート上で、組み合わせごとに菌を培養し、MIC(最小発育阻止濃度)の変化を観察するin vitro感受性試験
- 目的: MDRP(多重耐性肺炎球菌)に対し単剤で有効な薬がほとんどない場合、2剤併用療法の候補をスクリーニング
ブレイクポイント・チェッカーボード法(BCプレート)
- 特徴: 実臨床で使いやすいよう「ブレイクポイント濃度」を中心にあらかじめ設定した製品化されたプレート
- 用途: イミペネム、アミカシン、シプロフロキサシンなどMDRPに対して問題になる薬剤系統の2剤併用を多数の組み合わせで一度に評価
臨床応用のタイミング
使用条件:
- 院内分離したMDRPに対し、常用感受性検査ではほぼ全薬剤耐性を示し「治療選択肢が事実上ない」場合
- 2剤併用での有効な組み合わせを探索するために行う
注意点:
- in vitroで相乗効果や加算効果が示されても、患者背景・感染巣・薬物動態・毒性を考慮して臨床的有用性を慎重に判断する必要がある
- 結果の解釈とレジメン決定は、感染症専門医・薬剤師(ICT/AST)と相談し総合的に決めるのが一般的
実務上のポイント
- MDRPに対し「院内で薬剤全てに耐性」と報告されても、チェッカーボード法で2剤併用によりMICが下がる組み合わせが見つかる可能性がある
- 実施自体は臨床検査室(微生物検査室)レベルのテクニックが必要
- 主治医が「MDRPに対して併用薬のスクリーニングを依頼」する形になることが多い
