T1W Dixon
概要
T1 強調画像の脂肪抑制法として Dixon 法を使うシーケンスのことです。
- T1 強調の GRE または TSE で、脂肪と水の位相差を利用して「in‑phase / out‑of‑phase など複数エコー」を取得し、脂肪と水を分離します。
再構成可能な画像
同じ撮像から以下の画像を同時に再構成できます。
- water‑only(脂肪抑制像)
- fat‑only(脂肪のみ強調像)
- in‑phase / out‑of‑phase 像
従来の脂肪抑制との違い
従来のスペクトラル型 fat‑sat や STIR と比較すると以下の点が異なります。
- 磁場不均一への耐性:磁場不均一に強く、脂肪抑制の均一性が高いことが多いです。
- 病変評価:骨腫瘍や骨転移、骨盤・乳腺などの領域で、病変長や骨髄病変の評価に従来法と同等〜一部で優れると報告されています。
代表的な利点
- 均一な脂肪抑制:B0/B1 不均一があっても比較的安定します。
- 効率性:同じ撮像から複数コントラストを再構成できるので、撮像時間の効率が良いです。
- 高速・高分解能:圧縮センシングや 3D 収集と組み合わせることで、全身 T1W Dixon を短時間に高分解能で取得可能です。
限界・注意点
- 標準 T1W への置き換え議論:少なくとも仙腸関節 MRI などでは「標準 T1W と同等だが、必ずしも置き換え推奨ではない」とする報告もあります。
- 金属アーチファクト:位相ベースの分離なので、金属アーチファクトや強い磁場不均一がある部位では失敗することがあります。
臨床的な用途(例)
- 造影 T1 強調で、確実かつ均一な脂肪抑制が欲しいとき(骨盤、乳房など)。
- 骨転移や骨腫瘍の全身 T1W 評価(短時間で広範囲をスキャンしたいとき)。
- 骨髄脂肪や脂肪沈着の定量・観察(水‑only / fat‑only を両方確認したいとき)。
